高等学校の数学

高等学校の数学には次のような科目があります。

数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学活用

 

「数学Ⅰ」

「数と式」「集合と命題」「2次関数」「図形と計量」「データの分析」の5つの章からなっています。

 

数学とその思考方法は、社会の発展に貢献しています。

たとえば、携帯電話やパソコンでも、2進法や暗号などに数学が使われています。

数学の理論も、応用を探る中で磨かれて豊かになってきました。

 

「数学Ⅰ」では、すべての高校生が、中学校で学んだ数学の内容を深めながら、

数学を活用するために必要な考え方や知識を学びます。

また、この科目はこれから数学を学ぶための基礎・基本にもなっています。

数学をよく理解し、より進んだ数学を社会で活用するには、

基本となる数学Ⅰをしっかりと学ぶ必要があります。

 

「数と式」では、無理数の演算ができるように計算の意味を深め、

さらに数の計算を含む形で数式の演算を考えます。

 

「集合と命題」では、集合と論理により筋道立てて説明することを学びます。

 

「2次関数」では、"2乗に比例する関数"をさらに一般化して、

さまざまな応用ができるようにします。

 

「図形と計量」では、中学校で学んだ性質"直角三角形の1つの鋭角が等しい三角形は

相似になる"を用いて、その鋭角を辺と辺の比で表します。

これで角度から、辺の長さや面積を計算できるようになります。

 

「データの分析」では、データの散らばりの度合いを表す数値などの計算により、

データを整理・分析し、異なるデータを比較したり、

2つのデータの間の関連性などを分析するための道具や思考方法を学びます。

 

中高一貫校入試、高校推薦入試、大学入試、就職試験等で良く出題される分野です。

数学を勉強や生活に一層役立つものにしてください。

 

「数学A」

「場合の数と確率」「図形の性質」「整数の性質」の3つの章からなっています。

 

「数学A」は、「数学Ⅰ」と同時進行で学習するか、

あるいは「数学Ⅰ」に引き続いて学習するものです。

この科目も「数学Ⅰ」と同様に、数学をより深く学ぶための基礎・基本となる科目です。

 

数学とその思考方法は、さまざまな問題を解決し,生活を豊かにしてきました。

 

「数学A」に関連する領域では、

たとえば、確率は天気予報などにも使われ、日常生活に役立っています。

また、素数は暗号に使われ、重要な通信の秘密保持に役立っています。

携帯電話で安心して情報交換ができるのも、整数の研究の成果なのです。

 

「場合の数と確率」では、数え上げが的確にできるように、その基本的な考え方を学びます。

また、それをもとにしてさまざまな確率計算ができるようになります。

 

「図形の性質」では、三角形や円などの基本的な平面図形について、

さらに空間における多面体に成り立つ性質について学びます。

 

「整数の性質」では、約数や倍数について、数の範囲を整数に拡張して、

整数のさまざまな性質や、ユークリッドの互除法と呼ばれる

計算方法とその活用について学びます。

 

 

「数学Ⅱ」

「式と証明」「複素数と方程式」「図形と方程式」「三角関数」

「指数関数と対数関数」「微分法と積分法」の6つの章からなっています。

 

「数学Ⅱ」では、「数学Ⅰ」に続いて、さらに広く数学的な教養を身に付けることができます。

「数学Ⅰ」で学ぶ内容は、自然現象や社会現象を考察するのに欠かせない概念であり、

数学の歴史からみても重要なものばかりです。

また、数学の学習を通して、論理的な思考力や直観力、

また適切な判断力を身に付けておくと実社会でも必ず役立ちます。

 

「式と証明」では、整式の乗法・除法などの計算や、等式・不等式の証明などを学びます。

この計算や証明は数学全体の基礎でもあります。 

 

「複素数と方程式」では、複素数と呼ばれる新しい数について学びます。

これによって、2次方程式は常に解をもつことになります。

 

「図形と方程式」では、直線や円などの図形と方程式の関係を学びます。

この学習で、図形の性質や位置関係を式で表現して調べることができます。

 

「三角関数」では、三角比の角を拡張した三角関数について学びます。

この関数を用いて自然現象や社会現象に現れる様々な動きが表現されます。

 

「指数関数と対数関数」では、指数を実数まで拡張し指数関数について学びます。

また、ここで学ぶ対数とは人間の感覚とも関連していて、

感覚に関する指標(音のデシベルなど)には対数が使われています。

 

「微分法と積分法」では、微分法を用いて関数のグラフをかいたり、

積分法を用いて図形の面積を求めたりすることを学びます。

 

「数学B」

「平面上のベクトル」「空間のベクトル」

「数列」「確率分布と統計的な推測」の4つの章からなっています。

 

「ベクトル」とは、"向きと大きさをもつ量"という新しい概念です。

この概念が何の役に立つのか」と思う人もいるでしょう。

たとえば,クレーンなどで物を持ち上げる仕組みにはベクトルの概念が深く関係しています。

また、近代経済学でも、いくつかの品物の量をベクトルで表して分析することがあります。

 

これから学ぶ「数学B」は、このベクトルのように「数学Ⅰ」を学んだ後、

より進んだ数学の素養をつけ、将来の進路を広げるために

必要な数学の考え方や知識を学ぶためのものです。

 

「平面上のベクトル」では、上に述べたベクトルの概念とその演算を導入し、図形的意味を考えます。

次に「空間のベクトル」では、平面で学んだベクトルを空間に拡張し、空間図形の性質などを調べます。

さらに、空間における平面や球面の方程式なども導きます。

空間への拡張は4次元以上の世界への入り口にもなります。

 

「数列」とは、数を並べたものです。

ここで扱うのは主に規則的な性質をもったもので、この数列を表す式や和の性質を調べます。

 

「確率分布と統計的な推測」で学ぶ「確率分布」とは、

ある試行によって出現する値とその値をとる確率との対応のことです。

この概念を用いて、統計的な推測の方法を学びます。

これにより世論調査やテレビ番組の視聴率の意昧を正しく理解することができるようになるでしょう。

 

「数学Ⅲ」

「複素数平面」「式と曲線」「関数」「極限」「微分法」

「微分法の応用」「積分法とその応用」の7つの章からなっています。

 

動いている物体の途中の1点での位置と速さと方向によって、その物体の進路が決まります。

この考え方がもとになって、航空機の自動操縦システムが生まれ、また台風の進路予想もできるのです。

このように、数学は私たちの生活を豊かにするために役立ってきました。

 

高校数学の最後に位置付けられている「数学Ⅲ」は、これまで学んできた数学をもとに、

将来,社会で数学を積極的に活かすための知識や技術を身に付ける科目です。

 

「式と曲線」では、数学Ⅰで学んだ放物線に加え、いろいろな曲線とその扱い方について学びます。

 

「微分法」「微分法の応用」では、数学Ⅱで導入された微分の方法を発展させます。

微分できる関数が増え、曲線について凹凸などのより詳しい情報を得ることができます。 

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「積分法とその応用」では、前章で学んだことから、新たな関数の積分ができます。

また、"置換積分法"、"部分積分法"と呼ばれる新たな積分法を導入します。

様々な図形の面積を求められるようになり、さらに体積の計算も可能になります。

 

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